社会学概論 シラバス

コースの目的: 本講義では、社会学の基礎概念と主要な理論、研究方法を概観し、社会現象を多角的に理解する能力を養います。社会問題に対する批判的思考力を高め、社会に対する関心を深めることを目指します。

コースの目標:

  • 社会学の主要な概念(社会化、役割、規範、社会階層、社会構造など)を理解する。
  • 社会学の主要な理論(機能主義、構成主義、マルクス主義、フェミニズムなど)を理解し、比較検討する。
  • 社会調査の基本的な方法(量的・質的研究法)を理解する。
  • 現代社会の諸問題を社会学的な視点から分析する能力を身につける。
  • 社会問題に対する批判的思考力を養う。

各回のタイトルと概要:

1. 社会学とは何か: 社会学の定義、対象、研究方法の多様性について概観する。日本学術会議の社会学教育に関する提言も踏まえ、社会学の役割と重要性を考察する。

2. 社会学の古典: ダーケム、ウェーバー、マルクスの社会理論を概観し、それぞれの理論の強みと限界を検討する。社会学の成立と発展の歴史的文脈を理解する。

3. 社会構造と社会階層: 社会階層の概念、測定方法、階層構造の維持・変化メカニズムを分析する。社会移動の現状と課題について議論する。

4. 社会化と役割: 社会化のプロセス、役割期待、役割葛藤などについて解説する。ジェンダーや世代といった社会カテゴリーとの関連性を検討する。

5. 規範と逸脱: 社会規範の機能、逸脱行動の原因と社会反応について学ぶ。犯罪社会学の視点も取り入れ、社会制御のメカニズムを分析する。

6. 家族: 家族の機能、形態の変化、現代家族の諸問題(少子化、晩婚化、非婚化など)について考察する。ジェンダー平等と家族の未来像について議論する。

7. 教育: 教育の機能、教育機会の平等、教育と社会階層の関連性などを分析する。教育制度改革の現状と課題について議論する。

8. 宗教: 宗教の社会機能、宗教と社会構造の関係、現代日本の宗教状況について考察する。世俗化論など、現代社会における宗教の役割の変化を分析する。

9. 経済と社会: 資本主義社会における経済と社会の関係、経済格差、労働問題などについて学ぶ。社会政策の役割と限界についても考察する。

10. 政治と社会: 政治参加、民主主義、政治意識、社会運動などについて考察する。現代社会における政治と社会の関係を分析する。

11. 都市と社会: 都市化、都市問題(貧困、犯罪、環境問題など)、都市空間の社会構造について分析する。持続可能な都市開発について議論する。

12. 環境問題と社会: 環境問題の社会構造的な要因、環境問題に対する社会運動、環境政策の現状と課題について考察する。持続可能な社会に向けての取り組みを検討する。

13. グローバル化と社会: グローバル化の進展とその影響、グローバル社会における課題(貧困、環境問題、紛争など)について分析する。グローバルな視点からの社会問題解決について議論する。

14. 社会調査の方法: 質的研究法と量的調査法の基礎について解説する。社会調査における倫理的課題についても検討する。

15. 社会学と未来: 本講義で学んだ内容を踏まえ、現代社会の諸問題を社会学的な視点から総合的に考察する。社会学の未来と社会への貢献について議論する。